女から女たちへ、渡したい
財産といっても、いわゆる資産として計上される財産だけではなく、
女性たちが生きる中で、探し、つかみ、作り出してきた有形無形の財産を
この空間を媒介として伝え合うことを活動の柱にしています。
年齢や背景、関心分野もさまざまな女性たちが
本当に安心して集い語り合う場=空間があることで、
新しい活動やつながりが生まれ、その力が次に来る人々を支えることを、
活動開始以来実感してきました。
女の活動を支える空間を求めている人
ほっとできる場を求めている人
いろいろな女たちの意見や活動を知りたい人
女たちへ財産を託したい人
ぜひ女の空間NPO の活動にご参加ください。
あなたが託したい「財産」を、きっと受け継いでくれる女性たちがいることでしょう。
主な事業は、空間提供、ワークショップ、相談、情報提供です。
それぞれの、内容については、右側の欄にある、文字列をクリックして下さい。
そろそろ身辺整理を考えなくてはならない歳に私もなりました。たまたま持っているちっぽけな不動産を、女たちのために提供したらどうだろうか?
女のグループはどこでも、活動のために使える場所の確保に苦労しているではないか。でも個々のグループに当たってみても、だめでした。借りるのならいいけれど、資産として引き受けるのは難しく、覚悟もいるし、継続の責任も生じてきます。個人に思いを委託するのは限界があることがわかりました。
そこで夢想しました。女たちへ何かプレゼントを遺したいと思っている人はほかにもきっといる。提供する者と活用する者とをつなぐパイプが必要なのだ。プレゼントは一つ一つは小さくても、それを集めて運用する機関があれば、女の活動のために活かせるだろう。お金の提供も要る。だから不動産と動産の両方の寄付の受け皿になる法人組織の基金を設立すればいい。
こんな夢想を、あきらめずに話しているうちにさまざまな人々のご尽力で、現実に近づいていったのです。でも二つ三つの提供物だけでは、運営コストをまかなうだけで精一杯になりそうです。
私の、文字通りの貧者の一灯が呼び水となって、女の活動空間を確保し広げてゆくため、多くの方々の志が寄せられる場になることを願っています。
私の妹は1人の息子を残して30代で亡くなった。それから死は身近だ。ふと考える。うーん、両親が死んだ後に私が死ぬと、私の財産はみんな甥が相続するのか…。なんか変だぞ。
私は2軒の家のオーナーでもある。1軒目は障害者と健常者がともに生きる地域を作るためのたまり場として使われており、2軒目は障害者も含めた共同住宅だ。
いろいろな人と出会い、血縁だけでない人間関係の中から私自身の場を作っていく。そんな生き方をしてきたはずが、最後は血縁で締めくくられるなんて。
私が作ってきたものは、私の想いを継いでくれる人たちに遺したい。そこでいろいろな人たちが出会い、場を作っていけるような形で存在していて欲しい。女たち、社会から排除されてきたマイノリティーと呼ばれる人たち、実際に行く場のない人たちがいる。
自分の財産を血縁に遺すのは変だ。そう考えている人は他にもいるはず。戸籍制度の枠から、新しい関係に。女たちの財産は、女たちに遺そうよ。
1999年のある日、遺言を書く集まりで、ある女性が「私が死んだらこの物件はどうなるのだろう?」と言った。何も言えなかった。
同じ年、大島さんが「私の物件を女たちに使ってもらいたい。それも、私が生きている間に寄付したい」と言った。
同じ心を持つ女たちが他にもいるに違いない。そうか、何らかのNPOでも作ればいいのだ。そうしたら、長沖さんが「私の物件は性別の女だけとは限らなくても、使う内容で決めればいい」と言った。で、どうすればいいのか?
考えた結果、2002年のよき日に「女の空間NPO」が発足することになった。私は何も持っていないが、加担することはできると思った。
そこに弁護士が加わった。運営スタッフになる人が加わった。そして、そこに誰かが加わってくる。このようにして女たちの気持ちが他の人たちに伝えられていくのだ。
確かに運営や維持や手間ひまがかかるだろうけれど、かつて、国連の調査で「世界中の個人資産のうち、女性の占めるものは全体の1%」と発表されたままの状態が続いているこの世界・社会で、女たちが自分の財産を遺す先を選べるとしたら、このような基金もその一つになるだろうと信じている。
活動内容
定例の催し物
運営
その他